「ニホンジカGPS首輪情報活用促進協会」について

 本協会はニホンジカのGPS首輪データや装着情報を集約し、主に行政支援や公共の利益を目的として利用できるように整備することを目的とした団体です。メンバーはこれまで日本の各地でGPS首輪を用いた調査や事業を実施してきた経験を持つ団体、企業、行政機関、NPO法人、大学研究者等からなっています。1基1基のGPS首輪は、行政の事業担当者や私たちが、それぞれの立場で苦労を重ねて装着したものです。そのため私達は事業終了後も、これらのGPS首輪情報が使われることを望んでいます。また、ニホンジカの保護管理は事実情報に基づいて立案され、効果的なPDCAサイクルを作動させることが望ましいと考えます。GPS首輪によって得られる情報はシカの実際の行動を記録した貴重な「事実情報」で、これをうまく利用する仕組みが必要であると考えています。

 本協会の取り組みは、全国のGPS首輪データを一手に集約して、その管理を行ったり、独占的に使用したりという趣旨のものではありません。活動の趣旨に賛同し、データ提供をして下さった方だけの情報を取りまとめていきたいと考えています。また運営は関係者のボランティア的な活動で実施しています。

 「SikaBase:ニホンジカGPS首輪情報閲覧サービス」では本協会のメンバーが、それぞれの地域で関わった事業で装着したGPS首輪の情報(どこで、いつ、いくつの首輪が付けられたか)ということを中心に情報を集めて閲覧できるように整備しています。なお、本サービスは閲覧のみでダウンロードはできませんので、閲覧される方の中で元データを使用したいという方がいらっしゃれば、直接著作権者に問い合わせてデータの提供を受けて下さい。

データの公開方法について

 著作権者の了解を得たデータは公開作業をする際、「一般公開」「会員のみ公開」「提供者のみ閲覧」の3段階に分類されて、その範囲で公開されます。また、データが不必要に流用できないように著作権者によって元データから任意の割合で間引いたものが表示されています。

データの提供方法について

 本協会では、データの提供者を募集しています。1つでもデータを提供して下さった方は本協会の会員となり、「会員のみ公開」レベルのデータが全て閲覧できるようになります。データ提供と公開についての詳細は本協会の代表(立木)か、最寄りの構成メンバーまでご連絡下さい。

私たちの目標

構成メンバー

代表 立木 靖之(酪農学園大学)

沿革、これまでの取り組み

実施内容
2015年
  • 5th International Wildlife Management Congress が札幌で開催され「GPS telemetry tracking of sika deer in several wetlands of Hokkaido in cooperation among relevant organizations」というタイトルで口頭発表。その際、各所に散在するGPS首輪データを集約することで、道東地域のシカの動きを可視化した。こうした取り組みが全道や全国でも行われると、いままで分からなかったことが可視化できたり、行政の支援ができたりするのではないかと考えるきっかけに。
  • 先行的な取り組みをしていたEurodeer(欧州)と連絡を取り始める
2016年
  • 全国でGPS首輪の装着に多く関わってきた団体、企業、調査機関等の主だったメンバーに参画を依頼して第1回会議(東京)。「DeerBase研究会」と仮称
2017年
  • 哺乳類学会で自由集会を開催「DeerBase:GPS首輪のデータ共有に向けた課題.自由集会報告.哺乳類科学,第57巻第1号」収録
  • 学会中に第2回会議の実施
  • 6th Bio Logging Science Symposium(ドイツ)でEurodeerの代表者Dr. Francesca Cagnacciと面会して情報交換。Eurodeerとのコラボレーションを継続することとなる
  • 海外に対しニホンジカを明示するために「SikaBase」研究会に改名
2018年
  • 第3回会議(東京)の実施
2019年
  • Global Initiative on Ungulate Migration(GUIM:米国)に招待される。参加予定だったがCovid19のため中止
  • GPSデータViewerの開発に着手
2021年
  • GPSデータのViewerの試作版完成
  • 第4回会議(Web)の実施
2022年
  • 第5回会議(Web)の実施
  • 野生生物と社会学会テーマセッション「SikaBase:GPS首輪共有に向けた取り組みについて」を企画・実施
2023年
  • 第6回会議(沖縄)の実施
2025年
  • 第7回会議(東京)の実施
  • 今後の活動の目的を明確化する目的で組織名を「ニホンジカGPS首輪情報活用促進協会」に変更した「SikaBase:ニホンジカGPS首輪情報閲覧サービス」を一般公開

実施中の取り組み